家でできるデモ音源の作り方
デモ音源は、曲を人に聞いてもらうための録音です。メロディ・歌詞・コード・雰囲気が伝われば十分で、完成品のような音である必要はありません。手早く、伝わるデモを作るための順番を、Demo Track Maker を例に紹介します。
デモは何のために作るか
始める前に、誰に聞かせるかを決めます。バンドのメンバー向けならコードと構成がはっきり、歌い手向けならメロディと歌うキーが分かること、自分用のメモなら忘れないうちにアイデアを残すことが大事です。どの場合も、いちばん大切なのは曲の流れが分かりやすいこと。メロディと歌詞がはっきり聞こえるようにします。
1. キー・テンポ・コードを決める
- キー。メロディのいちばん高い音と低い音を歌ってみます。高い音が苦しければ、曲全体を下げます(例:C から A へ)。ギターならカポを使うと、同じ押さえ方のままキーを変えられます。アプリではキーで、コードを入れ直さずに伴奏全体を半音ずつ最大 6 つ上げ下げできます(録音の前に試してください)。
- テンポ。メトロノームに合わせて弾き、自然に感じる BPM を探します。デモは、思っているより少しゆっくりめのほうが聞きやすいことが多いです。
- コードと構成。イントロ・A メロ・サビのように区切り、小節ごとにコードを書きます。ポップスの多くは 4 小節・8 小節のまとまりでできているので、小節を数えながら書くと整理しやすくなります。
Demo Track Maker では、コード譜に 1 拍 1 マスで入力するか、| C | Am | F | G | のようにテキストでまとめて書けます。コードの名前が分からないときはコードネームの読み方・書き方を見てください。
2. 伴奏をざっくり作る
曲の雰囲気に合うパターンをパートごとに選びます。ロックなら 8 分の刻み、ポップスならシンコペーション、バラードなら分散和音。この段階で最終的なアレンジは要りません。ノリとコードが分かれば十分です。組み合わせの例はジャンル別・伴奏パターンの選び方にまとめています。
同じパターンを曲の最後まで繰り返すと、機械的に聞こえます。人が弾くときは、ベースが次のコードへ駆け上がったり、ドラムがまとまりの終わりでフィルを入れたりと、少しずつ変えています。バリエーションを上げ、区切り(4 小節目・8 小節目など)にドラムのフィルを入れましょう。
3. 仮歌を録る
粗くてもいいので、先にメロディを録ります。ほかのパートがどこで音を控えるべきかが分かるからです。伴奏がマイクに入らないようヘッドホンを使い、録音前カウントをオンにして入りのタイミングをつかみます。1 行ずつ何度も録り直すより、曲を通して何回か歌うほうが自然なテイクになり、聞く人にも伝わります。
4. 楽器やハモリを重ねる
アコギのストローク、リードのフレーズ、ハモリなど、その曲らしさを出すパートを重ねます。パートごとに別のトラックに録れば(Demo Track Maker では最大 8 本)、あとから大きさを変えたり消したりできます。別のアプリで録ったギターがあれば、ファイルを読み込んで、波形をドラッグして位置を合わせます。
自分の楽器でコードを弾くと、ピアノと重なってうるさく感じることがあります。ピアノをミュートするか、白玉など控えめなパターンに替えましょう。
5. バランスを整える
- まず全部を同じくらいの音量にし、歌詞がすべて聞き取れるまで歌を上げます。
- 歌とぶつかるパート(ピアノやストロークのギターが多い)を下げます。
- 定位(パン)で楽器を少し左右に広げます。歌・ベース・キックは真ん中に。
- 歌にリバーブを少しかけると、伴奏になじみます。かけすぎると遠くで歌っているように聞こえます。
ヘッドホンとスマホのスピーカーなど、複数の機器で聞いて確かめます。聞く人はさまざまな環境で再生するからです。
6. 共有する、または DAW で続ける
- 人に送るなら、ミックスダウン…で MP3 を選びます。チャットで送れる大きさになります。
- あとで続けるなら、書き出し(.zip)でプロジェクトを保存します。すべてのテイクと設定が入ります。
- DAW で仕上げるなら、伴奏を MIDI(コード名とテンポ入り)で、録音したトラックを WAV で書き出して読み込みます。トラックは曲の頭に合わせて書き出されるので、そのまま並びます。