ジャンル別・伴奏パターンの選び方
曲のジャンルらしさの多くは、リズム隊(ベース・コード楽器・ドラム)が拍をどう刻むかで決まります。ジャンルごとに合うパターンと、同じパターンの繰り返しが機械的に聞こえないようにするコツを紹介します。
3 つのパートの役割
- ドラムは拍の細かさを決めます。ハイハット(またはライド)がいちばん細かい音符を刻み、「8 ビート」なら 8 分、「16 ビート」なら 16 分です。2・4 拍目のスネア(バックビート)は、ポップスやロックの土台です。
- ベースはドラムとコードをつなぎます。多くは 1 拍目でキックと一緒にルートを弾き、経過音で次のコードへ移ります。
- ピアノ(やギター)は和音で響きを埋めます。8 分の刻みのように細かいリズムは曲を前に進め、白玉や分散和音のように長い音は歌のためのすき間を作ります。
あるパートが細かく動くときは、ほかのパートは控えめにするのがふつうです。16 ビートのドラムに細かいピアノと細かいベースを重ねると、詰め込みすぎに聞こえます。
ジャンル別の組み合わせ
Demo Track Maker で始めるときの目安です。パートごとのパターンと、小さい字で音色を示しています。パターン名はアプリの表示と同じです。
| ジャンル | ベース | ピアノ | ドラム | シャッフル | BPM の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| ロック | 8分ルート刻み(ロック) (ピック) | 8分刻み(ロック・ポップ) (ピアノ) | 8ビート(ロック・ポップ) (ロック) | オフ | 110–150 |
| ポップス | シンコペーション(ポップ) (指弾き) | ポップ(先取り) (ピアノ) | 16ビート(ポップ・ファンク) (スタンダード) | オフ | 90–130 |
| バラード | 白玉(バラード) (指弾き) | 8分アルペジオ(ポップ) (ピアノ) | バラード(クロススティック) (スタンダード) | オフ | 60–80 |
| アコースティック | 2分(ルートと5度) (ウッドベース) | 分散和音(バラード) (ピアノ) | シェイカー16分(アコースティック) (ブラシ) | オフ | 80–110 |
| ソウル・R&B | ソウル(モータウン) (ミュート(モータウン)) | ポップ(先取り) (エレピ) | 16ビート(ポップ・ファンク) (スタンダード) | オフ | 80–110 |
| ヒップホップ | 白玉(バラード) (808 ベース) | 白玉(全音符) (エレピ) | ヒップホップ・R&B(808 向け) (808) | オフ | 70–95 |
| ダンス | オクターブ(ダンス) (シンセベース) | 4分刻み (ストリングス) | 4つ打ち+クラップ(ダンス) (909(ダンス)) | オフ | 118–130 |
| ファンク | オクターブ(ダンス) (スラップ) | 8分刻み(ロック・ポップ) (クラビ) | 16ビート(ポップ・ファンク) (スタンダード) | オフ | 95–115 |
| シャッフル・ブルース | ウォーキング(ジャズ) (指弾き) | ストライド(ベース+和音) (オルガン) | シャッフル (スタンダード) | オン | 80–120 |
| ジャズ | ウォーキング(ジャズ) (ウッドベース) | ジャズのコンピング (ピアノ) | ジャズ(スウィング) (ブラシ) | オン | 100–180 |
「シャッフル」はアプリのシャッフルの設定です(オフ:まっすぐな 8 分、オン:3 連のノリ)。BPM は大まかな目安で、決まりではありません。
ジャンルごとのポイント
ロック
ベースとピアノは 8 分で刻み、キックは 1・3 拍目、スネアは 2・4 拍目。サビで盛り上げるなら、ドラムをライドのパターンに替え、A メロの終わりにフィルを入れます。
ポップス
拍の少し前に入る音(シンコペーション)が、ポップスの弾む感じを作ります。ピアノの「先取り」は次のコードを半拍早く弾くパターンで、シンコペーションのベースや、16 ビート・タンバリン入りのドラムとよく合います。
バラード
歌のためにすき間を残します。ベースは白玉、ピアノは分散和音、スネアはやわらかいクロススティック。左手が 3・3・2 のリズムを刻む「8分アルペジオ」は、メロディを邪魔せずにやさしく前へ進めます。
ソウル・R&B、ファンク
ベースがよく動き(オクターブ・5 度・アプローチの音)、ドラムは 16 分でスネアのゴーストノートが入ります。エレピやクラビの音色が合います。
ヒップホップ、ダンス
808・909 のような電子ドラムと、シンセのベース。ダンスミュージックはキックが毎拍(4 つ打ち)でクラップが 2・4 拍目、ヒップホップはキックがシンコペーションですき間が多めです。
シャッフル・ブルース、ジャズ
3 連のノリで演奏するので、シャッフルを「オン」にします。ウォーキングベースは 1 拍に 1 音、コードの音や音階の音を弾き、次のコードのルートへ半音で近づくことがよくあります。ジャズではライドシンバルが拍を刻み、ピアノはメロディの合間に短い和音を入れます(コンピング)。
単調にしないコツ
- バリエーション。人が弾くときは数小節ごとに少しずつ変えています。バリエーションは、ベースの駆け上がりやピアノの先取りを入れ、4 小節・8 小節のまとまりの頭にクラッシュ、終わりに短いつなぎを入れます。
- 区切りにフィル。次のまとまりに入る前の小節にフィル(スネア16分(1拍)・タム回し(2拍)・タム回し(1小節) など)を入れます。
- まとまりごとにパターンを変える。A メロは控えめ、サビは厚めのパターンにするなど。1 小節だけ特別にしたいときは、その小節だけを編集します。
- 揺らぎ。タイミングと強さに少しばらつきがあると、打ち込みではなく演奏しているように聞こえます。